福嶋祐輔と「映画」その1

福嶋祐輔の映画といえば、最近ではやはり何と言っても2010年公開の新人漫才師役を演じたあの作品ではないでしょうか。大まかなストーリーは、相方に逃げられた売れない漫才師が、やけを起こして泥酔し、警察につかまります。一晩過ごした留置場で出会った札付きのワルと会話をするうち、あまりにも反射神経のよい彼の「ツッコミ」に感動、新コンビを結成するというおはなし。この、札付きのワルを演じたのが福嶋祐輔だったのです、なんと。

確かにここのところの福嶋祐輔の出演作は、ワイルド系の不良少年役というのが目立っていたわけですが、それでも基本、福嶋祐輔の持ち味というのは、明るいとぼけたおにいさんであったり、誠実な好青年、といったイメージが強かったように思うのです。そこへもってきて、今回のワル役は、髪はドレッドヘアのロン毛で筋骨隆々、あちこちにタトゥーの入った肌浅黒いタンクトップ姿も決まった超「野性児」というものすごさなのです。かっこよかったですけど。

その福嶋祐輔が演じた「ワル」が、小気味よいくらいにハイテンションのスピード感たっぷりなマシンガントークを繰り広げ、相方のボケにどんどん突っ込んでいくというギャップがまた楽しかったわけです。映画の中ではこのワルがどんどんトラブルに巻き込まれ、アクションシーンの連続。これがまた痛快にかっこいいんですよね。ワイヤーアクションなんかも採り入れられていて、まさに目を見張る迫力でした。

この映画の中で使われている挿入曲も遊助こと福嶋祐輔が作詞作曲した楽曲です。前向きな、元気が出る、けどちょっぴりほろ苦い、そんな青春の香りが全編に漂う名曲でした。ちなみにこの曲は福嶋祐輔の「遊助」名義のセカンドアルバムに収録されています。いやー、しかし楽しい映画でしたね。監督は有名な人気お笑い芸人の人なんですが、その縁で、他にもたくさんお笑いの人たちが出演していて、なかなかテンポのよい作品に仕上がっていましたよ。

主演の彼もよかったですが、やはり何と言ってもこの映画で場をさらっていたのは、われらが福嶋祐輔の演じるレゲエヘアのタトゥー青年ではなかったでしょうか。とにかくかっこよくて、しかもオモロイんですよね。福嶋祐輔が演技の新境地を開拓した作品、と言っていいんじゃないでしょうか。実際、福嶋祐輔はこの作品で、日本最大の映画賞の新人俳優賞を受賞しています。

 

福嶋祐輔の参考情報  →  福嶋祐輔のプロフィールについて - 福嶋祐輔の人気の秘密に迫る