野球の道を断念した福嶋祐輔はその後、意を決して芸能界に転身します。なんでも彼が高校二年生の時、野球部の練習をしていたグラウンドの近くでテレビドラマのロケがあったのですね。で、スタッフの方から「できたら静かに練習してもらえないか」と要請があり、野球部は掛け声抜きで練習したのだそうです。すると主演俳優から、野球部全員にジュースの差し入れがあったのだそうです。
福嶋祐輔は部員代表として、その差し入れをくれた主演俳優のところに、律儀にお礼に行ったのだそうです。その俳優というのが、今も現役で大活躍の「お笑いTOP3」と呼ばれる一人だったのですね。その彼がまだ初々しい福嶋祐輔に「君は面白いから卒業したら芸能界においで」と言ってくれたそうでして。これが直接のきっかけではありませんが、動機の一つにはなったかもしれない、と後に福嶋祐輔は語っています。
テレビドラマには1999年頃からちょこちょこ顔を出し始め、イケメンのさわやかおにいさんとして一部の注目を集めるようにはなりましたが、主人公の友人とか、主人公の兄弟の友人とか、主人公の恋路を邪魔する空気の読めない後輩とか、通りすがりの好青年とか、目立つんだか目立たないんだかよくわからない扱いが続いていました。いわゆる、決定打が無い、というのが福嶋祐輔の下積み時代です。俳優だけでは食べていけないので、CMモデルやレポート番組のレポーターとか、要するにスキマ系ではありましたが地道に顔を売っていたわけです。
福嶋祐輔が一気にブレイクしたのがお笑い系クイズバラエティ番組への出演でした。元々は、彼が出演していた他の番組の番宣を兼ねたゲスト解答者としての出演だったのですが、その際のあまりの大ボケぶりに注目が集まり、たちまち同番組のイケメン大ボケ解答者として「3バカトリオ」が結成されることになったのでした。つまり本来の福嶋祐輔の資質のごく一部でしかなかった「おバカタレント」としての側面がクローズアップされたというわけです。
もっとも福嶋祐輔本人は、こうした注目の集まり方に不満は無く、むしろ世間に注目してもらえるきっかけをくれた番組として、恩義さえ感じています。おバカタレントとしての売れ方についても、見てくれる視聴者が楽しく幸せになってくれるなら、笑顔になってくれるなら、それで自分はとてもうれしい、という泣かせるコメントを述べてくれているのですよ。また、このバラエティへの出演がきっかけで、歌手活動も開始されることになりました。
福嶋祐輔の参考情報 → 福嶋祐輔の豆知識